
─新しさの追求は“壊す価値”の把握から─
建築設計において、新しいことを求められる場面によく出くわしますが、場合によっては今ある状況を「壊す」ことも必要になります。この「既成概念を壊す」ことの意義と注意点を考えます。
■ 「車輪の再発明」に注意 建築設計では、常に「新しさ」が求められます。 そのため、「これまでの常識を打ち破るデザインを」と意識することは多いでしょう。
しかし、既成概念には長い歴史の中で培われた合理性があります。むやみに壊そうとすると、逆に非効率で使いにくいデザインになってしまったり、これまでの技術的な経緯を知らずに同じものを発明してしまうことも多々あります。
■ 「壊す」ことは目的ではない イノベーションを生み出そうとする際、「既存のものを否定すること」が目的になってしまうことがあります。
例えば、伝統的な瓦屋根は単なる装飾ではなく、断熱性や耐久性に優れた機能を持っています。これを「古臭いから」と取り払ってしまうと、気候に適した優れた技術を失うことになりかねません。
■ まとめ ─壊すときこそその構造を知ろう 新しいアイデアを生み出すには、まず「何が問題なのか」を明確にしなければなりません。 既存の建築技術やデザインの意図を理解した上で、そこに潜む課題を見極め、必要な部分だけをアップデートするのが賢いやり方です。そしてその部分がもっと大きな枠組みの中にあることにも頭に入れておく必要があります。
「既成概念を壊す」のではなく、現状を把握して「進化させる」視点を持つことが、新しさを生み出す鍵になるでしょう。
#既成概念 #車輪の再発明