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【 180.アウフヘーベン 】

─対立を乗り越え、新たな価値へ─

アウフヘーベン(Aufheben)は、ドイツの哲学者ヘーゲルが提唱した弁証法の概念の一つです。これは、対立する二つの要素を単に否定するのではなく、それぞれの良い部分を統合し、より高次の価値を生み出すという考え方です。

■ 「アウフヘーベン」とは?

ドイツ語の Aufheben は、「破棄・否定」と「保存・高める」という相反する意味を併せ持つ言葉 です。その単語の意味がそのまま概念として用いられています。 日本語では「止揚(しよう)」や「揚棄(ようき)」と訳されます。「矛盾の解消」「対立項の折衷」が弁証法の目指すところです。

■ 対立するAとBをどう扱うか?

新しいアイデアを考えるとき、私たちはしばしば「現状を維持するか、完全に刷新するか」という

二択に陥りがちです。しかし、アウフヘーベンの視点では、次のように整理できます。

・要素A(現状):今までの経験や価値観

・要素B(新しい要素):革新や新たなアイデア

・要素C(統合された新たな価値):Aの良い部分を活かしつつ、Bの新しさを取り入れた進化系

単に「古いものを捨て、新しいものに置き換える」のではなく、

価値の本質を見極め、より高次な概念へと昇華させる

ことがポイントです。

■ 「対立」をどう乗り越えるか?