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【 013.重い/軽い 】

─建築における「重さ」のデザイン─

例えば同じ用途の建物であっても、立地や周囲の文脈によって、建築の「重さ」はまったく異なります。

岩手県の「大船渡市民文化会館(リアスホール)」は、岩のような重厚な造形で、まちの象徴としての存在感を放ちます。これは地域の地形「穴通磯」の形をモチーフとし、地元に根ざしたアイデンティティを建築で力強く体現したものです。

一方、山形県の「鶴岡市文化会館(荘銀タクト鶴岡)」は、歴史的建築「致道館」に寄り添うように、屋根のボリューム分割し、軒や屋根のカーブによって軽やかにまとめられています。地域の歴史との調和を重視した、控えめで品のある佇まいです。

この2つの建築は、真逆の「重さ」を選んでいますが、いずれもその土地に必要とされる姿を丁寧に考え抜いた結果です。建築において「重い」「軽い」という感覚的なデザイン選択も、決して感覚だけで終わらず、環境や文化、使われ方をふまえた非常に大切な要素なのです。

▽写真付きの解説はこちら(note)

https://note.com/beaver_archi/n/n29e3aeeb1a95

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